毎年5月上旬にだけ一般公開される、仙台市指定天然記念物「子平町の藤」。歴史ロマン漂う紫の花房と甘い香りに包まれた300㎡の藤棚は、“杜の都” 仙台ならではの季節の風物詩です。
子平町の藤とは?
- 所在地:宮城県仙台市青葉区子平町3(千田家私邸内)
- 樹種:ノダフジ(マメ科)
- 推定樹齢:430年以上
- 藤棚面積:約300㎡

歴史のハイライト
- 文禄の役(1592–)で伊達政宗公が朝鮮半島から持ち帰った藤を、千田家の先祖が拝領しました。
- 千田家は伊達藩の大工棟梁を務めた家柄で、代々この地で藤とともに暮らしています。
- 樹齢・規模・花姿に加え、由緒ある来歴から植物学的・景観的に極めて貴重と評価され、仙台市の天然記念物に指定されています。
見どころ&魅力
- 圧巻の紫のシャワー――房状の花が頭上を覆い、風に揺れるたび甘い香りが漂います。
- 藤棚の下は木漏れ日スポット。柔らかな光が差し込み、写真映え抜群です。
- 公開期間は数日間! 例年5月上旬に限定開放されています。
2025年一般公開情報
- 日程:2025年5月5日(月)〜5月9日(金)
- 時間:各日10:00〜16:00
- 入場料:無料(混雑時は入場制限あり)
- 注意:私有地のため開花期間以外は非公開。マナーを守って見学を。

アクセス
- バス:JR仙台駅西口バスターミナル → 「子平町・寿徳寺前」下車すぐ
- 電車:JR仙山線「東北福祉大前」駅から徒歩約10分
- 駐車場:なし(公共交通機関のご利用をおすすめいたします。)

訪問レポート(2025/5/9 14:00)
最終日に足を運ぶと、すでに多くの見物客でにぎわっていました。そよ風とともに漂う上品な甘い香り、手入れが行き届いた藤棚の美しさ――。夜に目を閉じると、昼間の光景と香りが鮮明によみがえり、心地よい余韻に包まれながら眠りについたほどです。来年は朝一番の柔らかな光の中でもう一度眺めたいと思っています。

まとめ
伊達政宗公ゆかりの歴史と千田家の丹念な管理が息づく「子平町の藤」は、“仙台の初夏を告げる特別な花景色”。限定公開ゆえにタイミングは限られますが、その分だけ感動もひとしおです。来年のスケジュール帳に「子平町の藤」をそっとメモして、430年以上の時を重ねた紫のカーテンをぜひ体感してみてください